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ID:302
作成日: 2022/03/29

外部トリガをボードに入力して撮像を行っていますが、外部トリガの入力回数と撮像回数が一致しないなど同期して撮像することができません。原因は何ですか?

カテゴリ SDK-AcapLib2 AIPTool  Camera Link ボード 
対象製品 APX-3302シリーズ APX-3323シリーズ APX-3324シリーズ APX-3326シリーズ


外部トリガの入力回数と撮像回数が一致しないなど、
外部トリガと同期して撮像することができない場合は以下の原因が考えられます。


[原因1:カメラがフリーランの場合]
[原因2:CC信号の周期設定の設定値が大きすぎる場合]
[原因3:カメラの露光時間が長すぎる場合]
[原因4:入力した外部トリガ信号が、ボードに外部トリガ信号として認識されていない場合]



[原因1:カメラがフリーランの場合]

外部トリガで撮像タイミングを制御する場合、一般的には以下の流れとなります。

[1フレーム撮像するまでの流れ]
1 ステージ上の被写体が搬送され、被写体がセンサーを通過する。
2 センサーより、外部トリガ信号(TTL/RS422/フォト)が出力される。
3 外部トリガ信号が、拡張ケーブルを通じてボードへ伝送。
4 ボードで外部トリガ信号を受け、その信号に同期してCC信号(※)をカメラへ出力。
5 カメラがCC信号を受け、1フレーム撮像。

※CC信号についてはCC信号とは何ですか? なぜCC信号が必要なのですか?を参照ください。
CC信号と外部トリガ信号
もし、カメラがフリーランの場合、ボードから出力されたCC信号が無視されますので
外部トリガ信号に同期せずに画像データ(FVAL)を出力してしまいます。
ボードの仕様上、カメラから出力された画像データは全て取得しますので、想定された位置からズレた撮像画像が取得されてしまいます。

その場合は、カメラの露光モード設定をCC信号に同期して画像データを出力するランダムシャッタモード(※)に変更してください。
※カメラによって機能名が異なります。また、機能の詳細はカメラのマニュアルかカメラメーカーにご確認ください。



[原因2:CC信号の周期設定の設定値が大きすぎる場合]

通常、AIPTool上のCycleや設定IDのACL_EXP_CYCLE / ACL_EXP_CYCLE_EXを使用してCC信号の周期の設定を行います。
しかし、ボードの設定で外部トリガを有効にした場合、CC信号周期設定の意味合いが変わります。

例えば、AIPTool上のCycleや設定IDのACL_EXP_CYCLE / ACL_EXP_CYCLE_EXで33msecを設定した場合、以下のように33msec中に外部トリガが複数回入力されてしまうと、ボードは最初に入力された外部トリガ以外は無視する仕様となっております。

つまり、外部トリガに対して発生するCC信号の回数が減ってしまい、結果としてカメラから画像データ出力回数が減ります。

本現象が発生した場合はCycleの値を小さく設定してください。

CC信号周期と外部トリガの関係


※AIPTool上で外部トリガの周波数をTrigger Frequencyに入力すると
Cycleの値(CC信号周期設定)が適正かどうかの判別が可能です。

問題がある場合は、以下のように問題の設定項目が赤色で塗りつぶされます。
Cycleの設定確認方法




[原因3:カメラの露光時間が長すぎる場合]

一般的にカメラが露光中の場合、CC信号を受け付けることができません。

そのため露光時間が長いとカメラのCC信号を受け付けることができない期間が増えてしまい、仮に[原因2]の条件をクリアできたとしても、以下の図のようにCC信号が無視されてしまうケースが発生します。

もし、本現象が発生した場合は、外部トリガの入力周期を落とすか、カメラの露光時間を短く設定し、現象が改善されるかご確認ください。


露光時間が長すぎる場合のカメラの挙動について



[原因4:入力した外部トリガ信号が、ボードに外部トリガ信号として認識されていない場合]

外部トリガ信号にノイズが影響してしまい、ボードが外部トリガ信号として認識できない場合があります。
その場合は、信号自体にノイズ対策を行って頂くか、AIPToolであれば、ChatterTimeを、設定IDであればACL_EXT_CHATTERを使用して、外部トリガ検出無効時間を設定してください。

外部トリガ検出無効時間については以下リンク先を参照ください。
外部トリガの「チャッタ時間」、「ディレイ時間」とは何ですか?
外部トリガを入力すると、ノイズに影響され想定外のタイミングで取込が開始されてしまいます。



※AIPTool上で外部トリガ入力回数、CC信号出力回数、FVAL入力回数、LVAL入力回数のカウンターを確認することが可能です。

特殊なカメラを除き、エリアセンサの場合はFVAL_COUNTが、ラインセンサの場合はLVAL_COUNTが外部トリガやCC信号出力回数と同じ値になります。もし、これらの値が異なる場合、信号や設定に何らかの問題が発生している可能性が高いです。

取得したい情報 項目名
CC信号出力回数 CC_COUNT
FVAL入力回数 FVAL_COUNT
LVAL入力回数 LVAL_COUNT
外部トリガ入力回数 EXTRG_COUNT


カウンター一覧
例1:CC_COUNTが0、EXTRG_COUNTが0の場合
外部トリガがボードに入力されていません。
物理的に断線していないか、信号に問題が無いか、トリガ接続ピンに間違いが無いかご確認ください。

例2 :CC_COUNTが0、EXTRG_COUNTが > 0の場合
外部トリガ設定が無効になっています。
現在使用している外部トリガの種類と、設定項目の「Use the External Trigger?」に不一致が無いかご確認ください。

例3:CC_COUNT = EXTRG_COUNT且つFVAL COUNT < CC_COUNTの場合
外部トリガの入力周期が早すぎます。
外部トリガの入力周期を落として現象が改善されるかご確認ください。


※外部トリガ入力回数、CC信号出力回数、FVAL/LVAL入力回数は、AcapLib2の各設定IDでも取得することが可能です。
具体的には以下設定ID名となります。詳細は「SDK-AcapLib2 Library Manual」を参照ください。

取得したい情報 設定ID名
CC信号出力回数 ACL_COUNT_CC
FVAL入力回数 ACL_COUNT_FVAL
LVAL入力回数 ACL_COUNT_LVAL
外部トリガ入力回数 ACL_COUNT_EXTTRIG


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